【私という感覚の正体】私は一体誰であるのか?ヨグマタ相川圭子が解き明かします。
今回は「私は一体誰であるのか」についてお話をさせていただきます。
「あなたは誰ですか」と聞かれると、多くの人は名前を答えます。
しかし名前は変えられるものなので、本当の自分ではありません。
「プログラマーをしています」「看護師をしています」と職業を答える人もいるでしょう。
職業もまた変えられるものであり、本質の自分ではないわけですね。
私たちはそういう役割を演じているに過ぎません。
母親であったり、父親であったり、「自分は優秀である」と自分のキャラクターや性質を答えるかもしれません。
しかし、それも本当の自分ではありません。
小さい頃は体がとても小さく、やがて成人へと成長します。
細胞は一定期間生き続けると死に、また新しい細胞が増殖して生まれます。
血液の細胞も全て入れ替わっており、昔の体と同じではありません。
そして心も常に変化し続けています。
本質の自分はアートマン(真我)

経典には「本当の自分とは誰か」について答えが書いてあるかもしれません。
私たちは体と心と魂でできているんですね。
では、その魂が本当の自分なのでしょうか。
本当の我と書いて「真我」、サンスクリット語で「アートマン(人間の源の存在)」といいます。
それが本質の自分です。
しかし、それは本を読んで知った知識に過ぎないんですね。
分かったつもりになるのではなく、実際に体験していくことが大切なんですね。
その体験の方法が瞑想であり、最終的に「自分が一体誰であるのか」に気づいていく。
私たちは自分の心と一体になっているんですね。
常に何かに囚われていて、そこから外れることができません。
例えば、心配しすぎる、考えすぎるという心の性格があります。
「自分は一体誰であるのか」と分析するのも、心で一生懸命分かろうとしている状態であり、心を超えることはできません。
「自分はこういう性質である」という分析は、自分の心の性質であって、本当の自分ではないわけですね。
修行によって本当の自分を悟る

本質の自分を発見することで、真理を悟る、本当の自分を悟るんですね。
“ただ分かる“のですね。
あなたが本質のクオリティになると、運命が改善されて、真の幸せを得ることができます。
「あなたはこういう存在である」と言われて「分かった」と思っても、それでは気づいたことになりません。
実際に修行をして体験をしていかないと、気づくことはできないんですね。
私たちは自分が心だと思い込んでいるので、そこから見ても本当の自分は見えないわけです。
心は数珠のように、過去生からの様々な体験や、日々の記憶が全部あります。
本当の自分は、心の曇りの奥にあります。
曇っているから心しか見えず、自分は心だと思ってしまって、それを超えていくことは、なかなかできないのです。
だから浄めて透明にしていく必要があります。
心と肉体の曇りが本質を隠している

水が濁っていると、水の底に何があるか見えないわけです。
水が浄化されて精製されて泥水が沈殿しても、底に砂が溜まっているので、さらにその奥は見えないのです。
それさえも溶かして、精製して、綺麗な水になると、底まで見えて、何があるのかが分かります。
私たちの肉体もストレスを溜めて、ものすごく濁っているのです。
怒りや悔しさといった感情的なものも、全て肉体に記憶されて残っています。
心も様々な体験の記憶によって、自分のクオリティを決めつけて思い込んでいます。
それが執着です。
そういうものが蓄積されて、心が曇り、肉体も曇っているので、その奥に何があるのかが見えないのです。
ただ知るだけではなく、それを磨いていく、浄化をしていくことが大切です。
カルマを浄化する生き方

行為をすることを「カルマ(日本語では業といわれ、行為とその体験の記憶のこと)」といいます。
人を傷つけたり、言葉の暴力や体の暴力を振るうと、相手にショックが残り、恨みの波動が返ってきます。
自分も悔しさが残ってすっきりしない、後悔するということになります。
愛を増やし、思いやりを増やしていく生き方をしていく。
もっと道徳的な生き方が大切です。
例えば嘘をつかない。
嘘に嘘を重ねると、どんどん真理から遠くなってしまいます。
自己防衛のちょっとした嘘から、「また嘘を言わなくては」と続いていく。
いつも正直でないと、どこかに緊張があるのかもしれないですよね。
緊張して固まると、本質から遠くなってしまうのです。
正しい心の使い方

本当の自分に出会っていくために、心の使い方、体の使い方のガイドがあります。
例えば、「足るを知る心」を持つこと。
「あまり欲をかかない」こと。
むさぼって寝てしまうなど、エネルギーを消耗してしまうと、本当の自分に出会う方向にエネルギーが向かなくなります。
目的に向かって進む時に、途中で美味しい物があったからと食べていたり、良いベッドがあったからと寝ていたりすると、目的地に着く前にエネルギーを使い果たしてしまいます。
宿題をやらずにいると、どんどん溜まっていくようなものです。
寄り道をしていると、本当の自分に出会うために注ぐべきエネルギーが、枝葉のところに使われて消耗してしまうのです。
食欲・睡眠欲・性欲という三大欲望は、生理的な現象です。
お腹が空いたら食べたい、山に行きたい、旅行をしたい、いい家を買いたい。
色々な欲望があります。
しかし、そればかりやっていると、「まあいいや、明日でいいや」と本当の自分に向かうことを先延ばしにして、死ぬ間際になってしまうかもしれません。
ですから、そういうものを少し自制して、エネルギーを蓄えて、浄めていくことが大切です。
良いエネルギーを蓄積していくためには、汚れがついたらお風呂に入って清める、清潔にすることが大切です。
良い教えの本を読むことで、良いメッセージが来て、心が安らぎ平和になります。
この体は誰が作ったのか。この心は誰が作ったのか。この宇宙は誰が作ったのか。
自分の力では体も作れません。
何か大いなる存在の力、神秘の力があるのです。
そういう存在があることを信じてやっていくことです。
体と呼吸を整える

心の使い方の戒めとともに、体を整えることも大切です。
体が歪んでいると血行が悪くなり、死んでしまうかもしれません。
体の関節を緩めて、伸びないところを伸ばして、形を整えると心も安定します。
これが「アーサナ(ヨガの第三ステップで体を整えること)」というポーズです。
さらに呼吸を整えます。
呼吸によって浄まっていくのですね。
呼吸法によって酸素をより多く供給し、不燃焼の部分を浄化して、頭をすっきりさせたり、胸の呼吸が楽になったり、腰の硬さが柔らかくなったり、足が軽くなったり、手も指が良く動くようになったりします。
全身にプラーナ(気や生命エネルギーのこと)が行き渡り、エネルギーの道が綺麗になっていきます。
一番大切な、源からのエネルギーの道を綺麗にするんですね。
ヒマラヤ聖者は「クリヤの秘法(特別な呼吸法を用いた瞑想法)」という呼吸をよく知っています。
感覚をコントロールする

私たちには五感があり、目に見えたものに「綺麗だ」と心を奪われたり、悪い話を聞いて気分が悪くなったり、いい話を聞いて「あれが欲しい」と行ってしまったりします。
感覚がアンテナのように働いて、心が動いて欲望が湧き上がります。
ですから、感覚をコントロールすることが大切です。
知識についても同じです。
やたらと「勉強したい、勉強したい」と本を読んでいると、人の借り物の知識で頭がいっぱいになってしまいます。
大切なのは、「自分で分かる」ことです。
そういう情報も一旦置いておいて、静寂になるようにして、さらに明鏡止水にしていく必要があるんですね。
様々な刺激が入ってくると心が波立ってしまうので、刺激をシャットアウトします。
静かに1人で部屋にこもって瞑想をする。
うろうろしていると様々なきっかけがあって、いつまで経っても静かなところに行けなくなります。
静けさに至るために、刺激をシャットアウトする時間を作ることです。
それでようやく瞑想になるんですね。
精神を統一する

さらに一歩前進すると、今度は精神を統一する段階があります。
呼吸を見つめる、光を見つめる、音を聞く。
そうした方法で精神を統一していくと、心が浄まって、様々なものが見えてきます。
今まで眠っていた内側のもの、過去の記憶などが湧き上がってきます。
それらに感謝をして、手放していく。
それが瞑想行です。
湧き上がるものを積極的に捨てたり、焼いたり、流したりする秘法も色々あります。
そうやって静寂を作っていくのですね。
究極のサマディ

やがて究極のサマディに到達していきます。
本当の自分と一体になることを、究極のサマディといいます。
全てが一体になって、揺れているものを全て超えて、「自分は一体誰であるのか」が分かる。
それは感覚を超えたところにあります。
そうすると、とても自由な人になるのです。
アドレナリンが出て自由になるような一体感もありますが、それはある種のエネルギーとの一体化です。
恐れや悲しみが一時的になくなって、それと一体になっている状態です。
サマディには色々なレベルがあります。
喜びと一体になる「アーナンダサマディ」。
そして本当の自分と一体になる「アサンプラガティサマディ」。
アートマンと一体になり、さらにブラフマン(宇宙の源の存在)と一体になる。
それがインドの5000年の昔に、ヒマラヤの聖者が修行して到達した真理であり、脈々と伝えられてきたのです。
この修行によって、内側から愛が湧き出て、知恵が湧き出て、生命エネルギーが湧き出てきます。
人生がものすごく楽になり、自分に自信が持てるようになります。
修行に取りかかるだけで、一歩前進しただけで、希望を持って信じるだけで、そのパワーをいただけて、楽になっていくのです。
ですから是非皆さんも、この道を進んでいただきたいと思います。
〜ヨグマタ相川圭子 公式Youtube(2026.7.11放送分)より
執筆者:ヨグマタ相川圭子
10代の頃からヨガや瞑想、健康法に興味を持ち実践。単⾝ヒマラヤに渡り、悟りへの道である本格的なヨガの修⾏を⾏い、ヨガ・瞑想の究極のステージ「サマディ」に到達する。 過去3回にわたり、国連でスピーチ・瞑想指導を行う。日本でも講演会、各種研修を開催。著書は累計100万部を突破し、作家としても活躍している。
