ヒマラヤ秘教用語解説

アーサナ

ヨガのアーサナ_ポーズ

ヨガのアーサナは、単なる体操ではなく、心身のバランスを整え、瞑想や精神的成長のための基盤を作る役割を果たします。

瞑想・ヨガ修行の究極であるサマディに到達したシッダーマスターのヨグマタ相川圭子がヨガの「アーサナ」について解説します。

アーサナの意味とヨガにおける立ち位置

サンスクリット語の「アーサナ」の意味

一般的にはヨガのポーズや体操がアーサナとして知られています。

サンスクリット語で「アーサナ」(आसन, āsana)は、「座ること」や「座位」など瞑想の姿勢を意味しています。

アーサナは主に体の健康が目的となっていますが、本来は、体のバランスを整えることで、座って精神統一や瞑想をするための準備となる実践法なのです。

また、アーサナには、「畑を耕す」という意味もあります。

それは、いろいろな塊がゴロゴロしている土地を平らにならして整えるということです。

瞑想は、畑の土をつくっているエネルギーを整える作業です。

土をていねいにこねて、形にしたものを火で焼くと、美しく輝く、透明度の高い磁器になります。

アーサナで肉体である土のクオリティを整え、さらに瞑想で変容させていくことができるのです。

ヨガの八支則(ヨーガ・スートラ)におけるアーサナ

ヨガには八支則」(ヨーガ・スートラ)という、心を浄化して純粋になり、やがて本当の自分になり悟っていくための段階を追った修行のシステムがあります。

それは次のとおりです。

  • 第一のステップ ヤマ(禁ずる戒め)
  • 第二のステップ ニヤマ(勧める戒め)
  • 第三のステップ アーサナ(体を整えること)
  • 第四のステップ プラーナヤーマ(心をコントロールする呼吸法)
  • 第五のステップ プラティヤハーラ(感覚をコントロールすること)
  • 第六のステップ ダラーナ(精神統一法)
  • 第七のステップ ディヤーナ(瞑想)
  • 第八のステップ サマデイ(悟り、三昧)

アーサナはこの中の第三のステップにあたり、鳥や獣などの動物の自然でしなやかな動きを真似した手と足と胴体のポーズです。

それによって関節をやわらげて、エネルギーの道のブロックを外していき、詰まっているところは伸ばしたりして、正しい姿勢で座り、安定した瞑想ができるようになるのです。

アーサナの種類と基本ポーズ

ヨガの基本ポーズ

アーサナは、基本八十四ポーズのほか、変型を混ぜると何千種類ものポーズがあります。

ヨガの様々なポーズは、その人の心身の状態に応じて、必要な動作を行うことでバランスがとれます。

矯正ポーズや整体的な動きを取り入れた私の「プラナディヨガ」は、すみやかに体の異常を整えます。

こうした矯正ポーズを含めて、その人に合ったアーサナを組み立てることが大切です。

基本のアーサナ(座法)

ここでは、正しく座るための基本的な座法のアーサナを紹介します。

アーサナ座法① スカアーサナ(安楽座)

あぐらのことです。瞑想をする時の基本の座り方です。

気持ちがゆったりし、体の歪みを整え、姿勢がよくなります。

この姿勢はふつうのことのように見えるでしょうが、体と心を統一していくすばらしい形なのです。

座ることで体が「今」にいて、心が「今」にいる。

座り続けることは、意識が変わって楽になっていく第一歩です。

アーサナ座法② パドマーサナ(蓮華座のポーズ)

結珈跣坐ともいいます。安定した座り方で、瞑想を行うのによいポーズです。

蓮華の花のように、真ん中がたおやかに咲き誇っていて、軽やかで、美しい花色が満ちている姿です。

ブッダも、この蓮華座で瞑想をされました。インドの神様は、蓮華座で座っています。

アーサナ座法③ ヴァジュラアーサナ(金剛座)

正座のことを金剛座といいます。まったく不動のように見えるので、金剛の名がついたのでしょう。

アーサナのルーツ

アーサナのポーズ

ヨガのアーサナは、心身の調和を取るために、自由でパワフルな動物の動きからヒントを得てつくられました。

動物の持つ習性やエネルギーは、人間が本来持っている生命力や、ある種の超能力としても備わっています。

その動きを模したアーサナは、そうしたエネルギーが開花し、バランスを取るとともに自然性を高める働きがあります。

背骨を中心に、前に曲げたり、後ろに反り返したり、横を伸ばしたりねじったりしながら、骨格や筋肉のバランスが取れます。

ヨガは、ヒマラヤ聖者サマディの知恵から生まれたものです。

そして、私はそのヨガの伝統を汲むヒマラヤ秘教を、シッダーマスターのハリババジよりいただくことができました。

単なる体操としてのアーサナにとどまらず、ヨガの八支則の頂点である究極のサマディに到達し、悟り、真理を知ったのです。

アーサナの正しい実践方法と注意点

海辺で瞑想

ヒマラヤ秘教は真のヨガの教えであり、ヒマラヤ大聖者は真のヨガを熟知しています。

今、健康法としてアーサナに親しまれる人も増えてきたことはよいことですが、ただ体を元気にするアーサナだけをヨガと呼ぶわけではありません。

道徳的な学びと瞑想を行わずに、アーサナだけをやっていると、体へのこだわりを作り、人間性がアンバランスになります。

また体の成り立ちの科学がわからないと、どれをどうやったらいいのかわからず、どこかの神経や筋を痛めることにもなりかねません。

正しい先生について行わないと、成長が正しく進まないこともあるでしょう。

ヨガは、正しい先生のもとで実践することが大切

どんなお稽古ごとも、正しく学ぶには、優れた先生を選んで、その先生に教えを乞うと思います。

ましてやヨガは悟りへと続く、誰も知らない道ですから、それをよく知る先生に出会う必要があるのです。

ヒマラヤ聖者である、悟りを得たシッダーマスターとの出会いで、そのことが可能になっていくでしょう。

アーサナの本質と実践

真のヨガで悟りを目指す

今回は、アーサナについて解説しましたが、ヨガの本質は、真理を悟ることです。

アーサナで体を癒し、完全にしたら、さらに瞑想を通して、体を超え、心を癒し、心を正し、それを超え、セルフになり、真我に出会い、さらにスープリームセルフになること。

至高なる存在、神に出会っていくのです。

アーサナという行を、エゴを落とし、心をピュアにし、すみやかに変容していくための一つの方法として実践することがキーポイントです。

ヒマラヤの秘教のヨガと瞑想は、健康のみでなく、アヌグラハの恩恵で意識を進化させ、本質的な美しさと本質の健康、幸福、さらに悟りを得るという本質を伝えていく道です。

アーサナをはじめ、より本質的なヨガを学びたい、実践したい方は、ぜひ私の会の門を叩いていただければ幸いです。

〜ヨグマタ相川圭子

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