■日本東方医学会とは
2025年11月30日 順天堂大学で開かれた「第43回日本東方医学会」にヨグマタが招かれ登壇し、特別スピーチとして講話とともに、瞑想の実践も行いました。
日本東方医学会は、中国や日本・インドに伝わる伝統医学を基盤に生薬や鍼灸 食養生など東方医学の研究と普及を推進している学会です。医師を始めとした医療従事者が中心に構成されています。

■医療と社会をつなぐキーワード「順天応人」
医療学会は、通常技術交流が中心に行われるのが一般的です。しかし、今回、東方医学会では医療をいかに社会全体に貢献していくかという課題に向き合うため、公衆衛生という社会全体を守る学問を中心に発表がなされることになりました。そうした中で選ばれたテーマが『順天応人』です。順天応人とは、自然や宇宙の摂理に逆らわず、その在り方によって人々の幸せを実現する、東洋思想・医学・儒教的倫理観を色濃く反映した言葉です。

■WHOが定義した「Well-Being」と、東方医学が重なり合う理由
SDGsの目標の1つに「Good Health and Well-Being(すべての人に健康と福祉を)」とあります。この一文をきっかけに、ここでは、『福祉』と訳されている「Well-Being」の言葉が、今、ビジネスや公共政策など様々な分野で用いられるようになっています。
実は、「Well-Being」は、WHO(世界保健機関)が健康の定義の中で使われている言葉なのです。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
引用:WHO憲章前文(Preamble)
つまり、真の健康とは、病気でない状態だけでは不十分で、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも完全に満たされた状態をいうのです。学会の中では、西洋医学は『病気を治す』ことが中心であり、「Well-Being」を目指すためには、東方医学も取り入れる必要があるのではないかと、問題提起されていました。なぜなら、東方医学は古くから、身体・心・社会、さらには自然環境との調和を含めた「全体としての健康」を重視してきた医学体系だからです。
■ヒマラヤの叡智を医療へ
医学の学術大会でありながら、より深いテーマを取り上げている「東方医学会」において、ヨグマタをどのような理由で招聘したのでしょうか。
一般財団法人 東方医療振興財団 日本東方医学会 理事長
長瀬 眞彦さん
「医学と哲学・宗教は切り離せないと私は考えています。
西洋医学はキリスト教を背景にしているので、どうしても日本とはなじまない側面があります。
東方医学会は、アジア伝統医療全体を学んでいますので、アジアの哲学や宗教を背景として知っておきたいと思い、お招きしました」

第43回日本東方医学会 会頭
友岡 清秀さん
「私は、医学的な身体観、世界観を持つことがすごく大事だと考えています。そういう観点から立ち返ると、瞑想は自分自身の中を見つめる作業ですので、非常に有効ではないかと考えています」
注目すべきは、長瀬理事長が語っていた「医学と哲学・宗教は切り離せない」という考え方です。この言葉から医学と哲学・宗教は、ともに「人はなぜ生き、なぜ苦しみ、どう生ききるのか」という問いを扱ってきた営みだという本質が見えてきます。この深い問いの行先に、5000年前から続くヒマラヤの教えにヒントがあるかもしれないという慧眼が、今回、ヨグマタの登壇につながりました。

ヨグマタ 講話(一部抜粋)
「私たちは何もないところから、この地球に送られてきました。
インドの哲学で言いますと、最初は光が現れ、音が現れ、五つの元素が産まれます。
空が現れて、さらに風が現れて、風からまた火が起こされ、さらに水のエネルギーと土のエネルギー。この五つの要素が宇宙を作っている。自然を作っている。
その中の私たちは一つの存在であり、この肉体をいただき、心をいただき、体をいただいて誕生して そして生き続け、いろいろな体験をして、いろいろなことに気づいて学習をしていきます。そして、本来の本当の自分、純粋なありのままの自分を悟っていくというのが人生の目的であります。自分自身が、一体誰であるのか、体について分かって、さらに心について気づき、その奥に一体何があるのか、すべてを生かしてくださっている存在に出会っていくのです。
(中略)
どこかに執着があると固まってるんですね。愛によって認めて手放していきます。
それは瞑想を深めていくと思考が全部溶けてなくなって空になるんです。
その時に全部スイッチがオフになるので、呼吸はすごく穏やかになって全てが穏やかになって消耗しないで充電する方へ行きます」

上記にあるように、ヨグマタはヒマラヤの教えにある身体観・世界観を語り、その中で瞑想の果たす役割について言及しました。
■東方医学とともに、「ヒマラヤの教え」が新たな可能性を拓く
西洋医学を中心とした医療の発展により、従来治らなかった病気を克服することができ、絶大な貢献をしてきたことは言うまでもありません。だからといって、西洋医学がすべてを背負う必要はないのではないか、というのが、東方医学会での議論でした。
well-beingは、東方医学が何百年も前から目指してきた状態を、現代語で言い直した概念です。西洋医学にプラスする形で、東方医学の知恵と技術が生かされると、真の健康を目指せるかもしれません。
ヨグマタが説く「ヒマラヤの教え」がその一翼を担えるよう、これからも貢献していきます。
